私が生をいただいた奄美大島は途方もなく深い島です。険しい山々が多く、亜熱帯に属し、年間2800mmの雨が降る日本有数の多雨地帯です。絵葉書から抜け出たような日々もありますが、四季を通じて長雨を頂く「水の島」というのが本当の姿です。
島の先輩方はゆったりとした「島時間」で自然に寄り添い、自然と満身でやりとりしながら生きてきました。学びや創造の場は海や大地や森という大自然、そして三世代が集う集落(シマ)でした。師匠は天の気持ち(大気)や祖先。
そんな奄美大島の佇まいを、少しでも感じていただけたなら幸甚です。